地味にコツコツやり続ける忍耐力の大切さ
経営を長く続けている経営者の方は、「これさえやれば成功する」といった魔法のような方法を求めたくなる瞬間があります。特に業績が伸び悩んでいるとき、売上が落ちたとき、社員の士気が下がったとき――
そんなときに魔法の杖のような「即効薬」があれば、どれだけ楽だろうと心のどこかで思ってしまう。私は前職時代と現在の会社経営で、「魔法の治療法は存在しない」ということをなんとなく理解しています。 むしろ、経営とは、地味で退屈に思えるような日々の積み重ねこそが継続ですよね。表面的なテクニックではなく、継続する忍耐力と、正解のない道を模索し続ける意思の強さこそが、企業の命運を左右するのです。
■運だけでは上手くいかない現実
「たまたま成功した」ように見える企業や経営者はたしかにいます。時代の波に乗った、先にやった、たまたまタイミングが良かった――そういう要素も、確かにビジネスには存在します。しかし、運は持続しません。短期的には成果をもたらしても、長期的な成功に必要なのは「運」ではなく「準備」と「継続」です。 私自身も、かつては「うまくいく方法」を探し回っていた時期がありました。書籍を読み漁り、セミナーに通い、流行のマーケティング手法を次々に試してみた。しかし、どれも決定打にはならない。なぜなら、経営とは単なる手法の積み重ねではなく、「考え方」と「習慣」の積み重ねだからです。
■試し続けなければ前には進まない
うまくいく方法があったとしても、それは「その企業・その状況・そのタイミング」だからこそ成果が出たのです。他人の成功体験をそのまま自社にコピーしても、同じようには機能しません。 だからこそ、経営者に求められるのは、「自分たちに合った方法」を見つけるために、失敗を恐れずにいろいろ試すことです。広告手法、商品構成、採用戦略、価格設定、組織体制――どんな分野でも、成功とは試行錯誤の先にしか見つかりません。 良く知る経営者の方の経験上、10回試して1つヒットすれば御の字。むしろ、9つの「うまくいかなかった」からこそ、1つの「うまくいった」が生まれると。トライを続けるうちに見えてくるのは、「うまくいく方法」ではなく「うまくいかない理由」の蓄積。それこそが、経営者にとっての財産なんだそうです。
■試行錯誤の中から「自社の正解」が生まれる
ビジネスにおける「正解」とは、あらかじめ用意された公式ではありません。それは、何度も試し、失敗し、改善を続けた先に初めて見えてくる「オリジナルの答え」です。つまり、正解は作るもの。 大手企業の戦略も、中小企業には通用しないことが多い。業種が違えば当然のようにやり方も違いますし、顧客層や地域性、社員構成によってもベストな方法は変わります。だからこそ、他人の成功体験をうらやむよりも、自社にとっての「正解の兆し」をつかむことに集中すべきです。 小さな成功体験を一つひとつ積み上げていくこと。最初は点にしか見えなかった成果が、やがて線になり、面になり、やがて盤石なビジネスモデルへと育っていきます。
■意思を持ち続けることが試行錯誤の土台になる
もう一つ、絶対に必要なのが「強い意思」です。 いくら試行錯誤をしても、軸となるビジョンや価値観が定まっていなければ、ただ迷走するだけです。何のためにこの事業をやっているのか、何を社会に提供したいのか、どんな未来を社員とともに創りたいのか。こうした「内なる問い」に向き合い続けることで、判断軸が生まれます。 経営とは、判断の連続です。そしてその判断には、必ず「揺れる瞬間」が訪れます。売上が落ちたとき、競合が現れたとき、社員が辞めたとき。そんなときこそ、経営者の意思が試されます。 「自分はどうありたいのか」「この会社をどうしたいのか」――この問いに対する答えが、日々の選択を支える最大の武器になります。
■コツコツやり続ける忍耐力こそが、最大の資産
結局のところ、経営における最大の「成功の法則」とは、地味なことを誰よりも長く、誰よりも丁寧に続けられるかどうかだと私は思っています。 朝礼を欠かさない。数字を毎日チェックする。お客様の声を集めて改善を続ける。社員と対話を続ける。業界の動向に常にアンテナを張る。どれも派手ではありません。でも、こうした積み重ねが、企業の土台を固め、やがては揺るぎない成果となって返ってくるのです。 何年経っても、経営には「これさえやればOK」という万能薬は存在しません。だからこそ、地味でも、時間がかかっても、自分の足で一歩一歩前に進んでいくことが大切なのです。
経営に近道はありません。そして、魔法のように一発で全てを解決してくれる「治療法」も存在しません。 ですが、それは絶望ではなく、希望でもあります。なぜなら、「誰にでもできる積み重ね」こそが、最も確実に成果へと導いてくれる道だからです。 今、経営に迷っている方がいたら、ぜひ焦らず、あきらめず、「地味な努力」を続けてみてください。その先に、きっと「自分たちだけの正解」が見えてきます。
情報化社会になり、即効性を求めたり探したりする感が強い社会のように感じますが、上手くいくための本質は、小さな積み重ねからしか手に入らないと、このブログを書きながら改めて反省と再確認しました。
参考にしてみてくださいね(^_-)-☆