自ら行動して自らの常識をつくろう
いくつかの事業を立ち上げ、多くの成功を収めた方からヒントをいただきました。その過程の中で、何度も壁にぶつかり、そのたびに考え、行動し、結果を出してきたと。その方からお聞きしたお話は、「常識を疑うことの大切さ」と、それを実現するために「自ら行動して自らの常識をつくる」という考え方です。そのあたりを、参考になればと、まとめてみました。

■常識とは何か?
まず、常識とは何でしょうか?
常識とは、社会の中で広く共有されている価値観や判断基準を指します。たとえば、「ビジネスではリスクを避けるべきだ」や「成功には特別な才能が必要だ」といった考えが挙げられるでしょう。しかし、よく考えてみてみると本当に正しいでしょうか?
私たちは無意識のうちに、この「常識」に従っています。常識は便利な指針である一方、時には私たちの行動を制限し、新しい可能性を閉ざしてしまうこともあります。この常識に疑問を持つ勇気が必要だと。
■経験から学んだこと
その方が、ある新規事業を立ち上げたとき、周囲の反応は冷たかったそうです。「そんなことをやってもうまくいくはずがない」「リソースの無駄だ」と言わていたと。しかし、その意見に流されず、むしろ「なぜ彼らはそう考えるのか」を徹底的に分析したと言ってました。その結果、当時の常識がいかに過去の成功体験や固定観念に縛られているかに気づいたとも。
たとえば、物流業界では長い間、「効率化のためには規模の拡大が必要」という常識がありました。しかし、この方の話を聞いて、逆に「小規模でも柔軟性を生かせば大企業に勝てる」のではと考えました。小規模な倉庫で顧客ごとにカスタマイズされたサービスを提供する。その結果、業界内で新しい市場を切り開くことができりかもしれないと考えました。
■自ら行動して常識をつくる
常識を疑うだけでは不十分で、その次に行動が重要だと力強く言ってました。頭の中で考えるだけでは、何も変わりません。行動を通じて得た経験こそが、自分だけの「新しい常識」を生み出します。
重要なのは、「失敗を恐れない」ということです。その方も多くの失敗を経験してきたと。しかしながら失敗を「間違い」ではなく「学び」として受け入れることができれば、次の成功へのステップになったそうです。
また、行動を起こす際には、周囲の反対意見を恐れないことが大切。ほとんどの新しい事を成す方は、最初は「変わり者」と見られます。しかし、その「変わり者」が新しい常識をつくり出し、次世代のスタンダードとなるそうです。
■具体的なステップ
常識を疑い、行動に移すためには、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか?と質問してみた答えが下記です。
- 現状を俯瞰する
今の常識がどのように形成されているのかを冷静に分析します。自分の業界や会社で当たり前とされていることを書き出してみてください。 - 違和感を大切にする
「なぜこれが正しいのか?」という疑問を持ちます。その違和感が、新しい視点を生み出すきっかけになります。 - 小さく実験する
大きなリスクを取る必要はありません。小規模な実験を通じて、仮説を検証します。これにより、リスクを最小限に抑えながら新しい方法を試すことができます。 - 結果を評価し、学ぶ
実験の結果がどうであれ、そこから学びを得ます。上手く行った場合は、それをさらに拡大し、失敗した場合は原因を分析して次の行動につなげます。
最後に
私たちが日々直面する「常識」は、実はただの過去の成功パターンに過ぎないことが多いのだそうです。新しい成功を手に入れたいなら、それを疑い、自らの行動を通じて新しい常識をつくり上げることが大切なのだと。
PS;追加情報「経営者仲間のつまらない常識」
お話を終えてからの雑談で、「経営者仲間のつまらない常識」について話してくれました。経営者が集まると、つい似たような話題や意見に終始してしまうことがありませんか?その場ではお互いに「なるほど」とうなずき合いながらも、実際には何も変わらない。そういった状況を私はこれまで数え切れないほど目にしてきたそうです。
例えば、以下のような「つまらない常識」を耳にしたことはありませんか?
- 「中小企業は大企業には勝てない」
これは完全な固定観念です。確かに資本やリソースの差はありますが、それを埋めるための工夫やスピード感で勝負することは十分に可能です。それなのに、「結局、うちは小さい会社だから…」と、最初から可能性を諦めている経営者が多いのです。 - 「業界の慣習には従うべき」
もちろん、法律や倫理を守ることは絶対です。しかし、業界特有の「こうあるべき」という慣習や古いビジネスモデルに固執するのは危険です。特に、業界が成熟している場合、その慣習が既に時代遅れになっていることに気づいていない場合が多いのです。 - 「会社の規模を大きくすることが成功」
規模を追求することは一つの目標ではありますが、それだけが成功の指標ではありません。規模を大きくするあまり利益率が低下し、最終的に会社の成長を阻害するケースもあります。それにもかかわらず、「とにかく売上を上げることが重要だ」と考える経営者仲間が多いのです。
●こうした常識がなぜ「つまらない」のか?
これらの「つまらない常識」の問題点は、それが経営者自身の行動を制限し、ビジョンを狭めてしまうところにあります。同じことを繰り返していれば、たとえ業績が安定しているとしても、いつか必ず停滞が訪れます。それなのに、多くの経営者が「安定」の中に甘んじ、新しい挑戦をしなくなります。
さらに、「経営者仲間」の集まりは、同じ価値観や経験を持つ人たちのコミュニティであるため、意見が似通いがちです。そこで出てくるアドバイスやアイデアも、結局は既存の枠組みの中に収まるものばかりになりがちです。こうした状況を変えなければ、業界や社会に革新をもたらすことは難しいでしょう。
●つまらない常識から抜け出すために
どうすればこの「つまらない常識」から抜け出せるのでしょうか?以下にいくつかの具体的な提案を聞きました。
- 異業種の成功事例を学ぶ
同じ業界内での常識に縛られないために、異業種の成功事例に目を向けましょう。他業界の新しいビジネスモデルやマーケティング手法を参考にすることで、自分たちの常識がいかに狭いものであるかを実感できるはずです。 - 世代や背景の異なる人々と意見交換する
年齢や経験が異なる人たちと交流を持つことで、新しい視点が得られます。若手社員やスタートアップの起業家との対話を通じて、自分の固定観念を疑う機会を増やしてください。 - 現場の声に耳を傾ける
経営者仲間だけではなく、顧客や現場の従業員の意見に耳を傾けることも重要です。現場には、机上では見えてこない課題やチャンスが眠っています。 - 「当たり前」を意識的に壊す習慣を持つ
毎週、社内外で「当たり前」とされていることを一つ挙げ、それを改善または打破する方法を議論してみてください。この習慣は、常に新しい発想を生む助けとなります。
経営者は、自らの判断で会社の未来をつくる責任があります。しかし、その判断が「つまらない常識」によって曇らされているならば、どれほど努力を重ねても真の成功は得られませんよね。自らの固定観念を疑い、行動を通じて自分だけの「新しい常識」をつくり上げる。その先にこそ、本当の成功が待っていると信じています。
お話を聞いていて、すご~く勇気付けられました。参考にしてみてくださいね(^_-)-☆