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マネジメント編6回シリーズ(6-4)

「ちゃんと見てるよ」が生む信頼関係

「これからの時代のマネジメント術」シリーズ、第4回のテーマは、「評価」よりも「承認」の重要性についてです。

「評価してるのに、なんでモチベーション上がらないんだろう?」「ちゃんと点数つけて、査定してるのに

そんな疑問を感じたこと、ありませんか?

実はそれ、評価承認の違いを理解していないことが原因かもしれません。

評価は上から目線。承認は横の目線

まず、この2つの違いを明確にしておきましょう。

種類

主な意味

目線の違い

  評価

              成果に対する採点

上から(ジャッジ)

  承認

              行動や存在の肯定

横から(共感)

「評価」は上司が部下に点数をつけるもの。
「承認」は、「あなたの存在や努力をちゃんと見てるよ」というメッセージです。

現代のマネジメントでは、成果に対する評価よりも、プロセスや姿勢への承認が圧倒的に重要になっています。

人は評価よりも、「自分を見てくれている」に心が動く

人が一番嬉しいのは、「成果を認められること」ではなく、「自分の努力を誰かがちゃんと見ていてくれた」と感じることなんです。

たとえば、

  • 雨の中でも時間通りに出社していたスタッフに「今日も遅れずに来てくれてありがとう」
  • クレーム対応後の部下に「大変だったよね。でもあのときの落ち着いた対応、すごく良かった」
  • 地味な作業を淡々と続けている人に「こういう仕事、誰よりも丁寧にやってくれて助かってるよ」

これって、いわゆる成果じゃないですよね。
でもこういう「見てるよ」の言葉が、人のモチベーションを根っこから支えてくれるんです。

評価だけで管理しようとすると、組織は冷える

評価制度は、組織運営上必要です。でも、それだけに頼ると、現場はこうなります。

  • 「評価される仕事しかしない」
  • 「目立たない仕事は誰もやらない」
  • 「数値で評価できない仕事が軽視される」
  • 「他人の足を引っ張ってでも自分が上に行こうとする」

つまり、「評価されること=価値がある」となってしまうと、組織全体がギスギスしていくんです。

承認は、人を見て動くマネジメント

じゃあ、どうやって承認するか?答えはシンプルです。日常の中に「見てるよ」をちょっとずつ入れるだけです。

  • 「ありがとう」
  • 「助かったよ」
  • 「あなたがいてくれると安心する」
  • 「あの対応、私は良かったと思ってる」
  • 「最近、頑張ってるよね。ちゃんと伝わってるよ」

こういう言葉、照れくさくてなかなか出てこないかもしれません。でも、こういうあたたかい言葉が、チームの雰囲気をつくります。

「承認」はタイミングが命

承認って、「伝えるタイミング」もめちゃくちゃ大事です。

・月末の評価面談で褒められるより、
・クレーム対応した日にねぎらいの言葉をかけられたほうが、何倍も心に残る。

たとえば、

終業後、机に残ってたスタッフに「今日も遅くまでお疲れ様、助かったよ」と声をかける。
朝イチ、出社してきた部下に「おはよう。今日もよろしくね」と笑顔で言う。

そんな小さな一言が、「この会社にいていいんだ」「自分の仕事は意味がある」と思わせてくれる。

「承認文化」が根づくと、組織は変わる

承認を土台としたマネジメントを続けていくと、以下のような変化が起きてきます。

  • 部下同士の声かけが増える
  • 「ありがとう」が自然と飛び交うようになる
  • ミスが報告されやすくなる(責められない安心感がある)
  • 離職率が減る(居場所感が強くなる)
  • 自発的に動く人が増える(指示待ちが減る)

承認が空気のように自然に交わされる組織は、強くてしなやかです。

「評価=数字」「承認=人間関係」

評価は数字で管理するもの。承認は人間関係を育てるもの。

どちらも必要ですが、「人を動かす力」は圧倒的に承認にあります。
モチベーションは数字では育ちません。

心が動いてこそ、行動が変わるんです。

■ 今までに経験した、使えるワード

  • 「よく気づいてくれたね!」
  • 「助かったよ、ありがとう」
  • 「あなたがやってくれると安心する」
  • 「それ、あなたらしいね」
  • 「今のやり方、すごく良かったと思う」
  • 「あの時の対応、私はちゃんと見てたよ」
  • 「いつも変わらずいてくれてありがとう」

何も大げさに褒める必要はありません。
ちょっとした共感や感謝の一言が、承認になります。

 

これからの時代のマネジメントに必要なのは、「点数をつけること」ではなく、「心をつなぐこと」です。

評価で人は管理できても、動かすことはできません。承認で人は、「自分から」動き出すと思いませんか?

5回は、「ルールよりも、空気で統率せよ」というテーマでお届けします。
ルールでは人は動かない、空気づくりの重要性について掘り下げていきます。

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