いやなお客さんを見切れるかどうかの大切さ
中小企業の経営において、立ち上げ期や業績が安定するまでの間、「正直、あまり付き合いたくないお客様」とも取引をしてしまうことがあります。
「売上が欲しい。」「取引実績が欲しい。」「断る勇気がない。」
私自身も、前職時代を含め、そうした経験をしてきました。今回は、いやなお客様を切ることの重要性を前職の経験も踏まえて書いてみます。
私がはじめてお会いする社長さんに聞く質問のひとつに、「いやなお客さん何社あります?」って聞くことがあるぐらいです。
いやなお客様との取引は、あとから必ず経営に尾を引きます。
〇 クレームは「内容」より「姿勢」を見るべき
私は前職時代、複数社のお客様との取引を自らの判断で切った経験があります。
大口顧客ではありませんが、当時の事業規模からすれば中規模の売上を占めるお客様でした。
切った理由は明確です。
クレームが起きた際、現場スタッフに対して過度で感情的なクレームを浴びせてきたからです。
もちろん、クレームが起きた以上、こちらの責任がある部分は迅速かつ誠実に対応しました。事実、クレーム処理自体は俊敏に行い、内容的にも解決していました。
それでもなお、「人を追い詰めるような言動」を続ける姿勢は、経営者として到底容認できませんでした。
〇 経営者として許せない「涙」
私は、経営において流す涙は2種類しかないと思っています。
- 物事がうまくいったときの、うれし涙
- 前向きに挑戦した結果、うまくいかなかったときの悔し涙
このどちらでもない涙、スタッフが顧客から必要以上に責められ、心を傷つけられて流す涙。
これは、経営者として「絶対に守らなければならないライン」です。
スタッフがそんな涙を流す姿を見ることほど、腹が立つことはありません。
取引とは本来「お互い様」です。こちらが不手際を起こせば謝罪し、改善する。
お客様が不手際を起こしたとしても、私たちは気持ちよく対応する。
それがプロとしての姿勢です。
にもかかわらず、一方的に立場を利用し、人を傷つけるような態度を取る顧客は「お客様」ではありません。
〇 切れなかった顧客と、経営陣の判断
同様の問題を抱えた、さらに規模の大きいお客様もいました。
正直に言えば、そのお客様こそ切りたかった。
しかし、そのときは自社の経営陣が反対しました。
・売上への影響
・取引規模の大きさ
・失うリスクへの恐怖
結果として、その判断は間違っていたと今でも思っています。
なぜなら、その瞬間から取引の主導権が完全に相手側へ移ってしまったからです。
それを理解していなかったことが、当時は非常に悲しかった。
〇 既存顧客を切るために必要な覚悟
経営者が理解しておくべき大前提があります。
今いる既存顧客がいなくなっても、新規取引を生み出す営業活動をきちんと行っていれば、会社は続く。
営業を止め、既存顧客に依存し、「切れない理由」を並べ始めた瞬間、経営は弱くなります。
特に中小企業にとって、いやなお客様と取引を続けることは、リスクしかありません。
・スタッフの疲弊
・社内の雰囲気悪化
・判断基準のブレ
・経営者の精神的消耗
これらはすべて、数字以上に経営を蝕みます。
〇 儲かる秘訣は「切ること」から始まる
少し過激に聞こえるかもしれませんが、「儲かる秘訣は、いやなお客さんを切ることから始まる」と考えています。
いやなお客様を我慢して抱え続けている企業は、得てして儲かっていません。
なぜなら、「本当に大切にすべき顧客」と向き合う時間とエネルギーを奪われているからです。
経営とは、選択と集中です。そして時に、「断つ」勇気が必要です。
経営者の皆さん、売上よりも先に、誰と取引する会社なのかを、今一度考えてみてください。
それが、強い会社をつくる第一歩だと、私は信じています。
参考にしてみてくださいね(^_-)-☆
PS:目先の売上も大切ですが、協力会社に応援される企業の先に人手不足の課題解決があるかもしれませんね。