広告費と人件費はコストではないんです
中小企業の社長さんとお話ししていると、必ずと言っていいほど出てくる言葉があります。
それが「コスト削減」です。
・売上が伸び悩む
・利益が残らない
・資金繰りが不安
そうした状況に直面したとき、多くの社長さんが最初に手をつけるのが「社内コストの見直し」です。しかし、そのコストの中身を本当に理解している社長さんは、実は多くありません。
特に誤解されやすいのが、広告費と人件費です。
広告費と人件費は、コストではありません。
〇 広告費は「企業の存在を忘れさせないための投資」
「広告費はできるだけ抑えたい」
「広告を出しても効果が分からない」
「今は余裕がないから広告は止めよう」
こうした声をよく聞きます。
中小企業にとって広告費は決して小さな金額ではありません。
しかし、よくよく考えてみてください。
広告を止めた瞬間、あなたの会社はお客様の記憶から消えていくという事実を。
お客様は、あなたの会社のことを常に考えてくれているわけではありません。日々、無数の情報・サービス・会社に触れています。
だからこそ、「思い出してもらう」「忘れさせない」。
この役割を果たすのが広告です。
広告費とは、売上を生むためのコストではなく、存在し続けるための投資なのです。
〇 広告は「24時間働いてくれる営業マン」
もう一つ、大切な視点があります。
広告は、
・休みません
・文句も言いません
・24時間、365日働き続けます
広告は24時間働いてくれる営業マンです。
リアルの営業マンは、どれだけ優秀でも一人です。時間にも限界があります。
しかし広告は違います。
あなたが寝ている間も、休日も、遠方でも、常に企業のメッセージを届け続けてくれます。
「広告費は無駄」と言う社長さんほど、実は営業に頼り切っているケースが多い。
広告と営業は対立するものではありません。
広告が土台を作り、営業が刈り取る。
この役割分担ができたとき、企業は安定します。
〇 人件費は、決してコストではない
次に、人件費について。
「人件費が重い」
「固定費だから怖い」
「できるだけ人を増やしたくない」
経営者として当然の感覚だと思います。
ですが、ここにも大きな落とし穴があります。
人件費をコストだと考えている会社は、業績が上がりません。
なぜなら、人件費=削る対象という発想になるからです。
削られた人はどうなるでしょうか。
・やる気を失う
・考えなくなる
・言われたことだけやる
・会社の未来に興味を持たなくなる
結果、生産性は下がり、品質は落ち、クレームは増え、最終的に売上が下がります。
これほど分かりやすい悪循環はないと思います。
〇 「企業は人なり」は、きれいごとではない
「企業は人なり」とは、よく聞く言葉です。
しかし、これは精神論でもスローガンでもありません。
経営の本質だと考えています。
・商品を作るのも人
・サービスを提供するのも人
・お客様と向き合うのも人
会社は、建物でも設備でもありません。
人の集合体です。
その人を「コスト」として扱えば、会社そのものを安く見積もっているのと同じことになります。
逆に、人件費を「投資」「未来への仕込み」と考えられる社長の会社は、強くなります。
〇 業績が上がらない社長の共通点
あくまで私の感覚ですが、業績が伸び悩む社長さんには共通点があります。
・広告費を真っ先に削る
・人件費を重荷だと考える
・社員に「コスト意識」ばかりを求める
・短期的な数字しか見ない
一方で、業績が安定・成長している会社は違います。
・広告を「仕組み」として捉えている
・人を育てることに時間とお金を使う
・社員を戦力として見ている
・中長期の視点で判断する
違いは、考え方だけです。しかし、その差は数年後に圧倒的な結果の差となって現れます。
〇 本当に削るべき「コスト」とは何か
では、削るべきものは何なのか。
それは
・意味のない会議・曖昧なルール・属人化した業務・誰のためか分からない仕事・不明な経費
こうした見えにくいムダです。
広告費や人件費は目に見える数字だから削りやすい。
しかし、本当に会社を蝕むのは、誰も疑問を持たず続いている非効率です。
そこにメスを入れずして、会社が良くなることはありません。
最後に、社長さんに問いかけたいと思います。
あなたは、
広告費を「ムダ金」だと思っていますか?
人件費を「重いコスト」だと思っていますか?
もし少しでもそう感じているなら、一度立ち止まって考えてみましょう。
〇 会社を成長させるのは、人と仕組みです。
広告は仕組み。
人件費は人への投資。
ここを履き違えないことが、中小企業が生き残り、強くなるための条件だと思います。
数字だけを見る経営から、本質を見る経営へ。
それができたとき、会社は必ず変わり始めるとおもいますけどね。(^_-)-☆