どんな業種にも当てはまるのかを考えてみた
価格は固定ではない。状況に応じて動かすことで、利益は最大化できる。
いくつかのゴルフ場のお手伝いをしていて、レベニューマネジメントについて考えるようになりました。今回は、そのあたりを書いてみようと思います。
ゴルフ場運営をみていると、ある意味「経営の縮図」を毎日目の当たりにしました。ゴルフ場はお客さんの入り具合によって価格を調整するからです。平日、雨予報の日は当然お客さんが少なくなります。そうすると価格を下げてでも来場者を増やす工夫をします。
逆に、休日やコンペシーズンなど需要が高いときは価格を上げても予約が埋まります。
これを専門用語でレベニューマネジメントと言います。本来は航空会社やホテル業界で発展した手法が元らしいですが、ゴルフ場もまさに同じ構造を持っています。
これを他業種でも応用できないか?を深掘りしてみたいと思います。
レベニューマネジメントとは何か?
まず整理です。
レベニューマネジメントとは、簡単に言えば、限られた在庫を、正しい価格で、正しいタイミングに、正しくお客様へ販売することで収益を最大化する手法です。
航空機の座席数は限られています。ホテルの客室数も限られています。ゴルフ場のスタート時間も限られています。
限られた枠をどう埋めるかが共通の課題です。
ゴルフ場での実体験
ゴルフ場でも、土日は満員御礼なのに、火曜日や雨の日はガラガラという状況があります。
空いている時間をどう埋めるかが最大のテーマ。
価格を下げるだけでは単なる値引きに終わります。
だからこそ、ターゲットを絞った戦略を組み合わせます。
- 平日限定のシニア割・・「火曜はシニアデー」と銘打つと、高齢のお客様がグループで来てくれる。
- 雨予報時の早割・キャンセル可プラン・・「万が一の雨ならキャンセル無料」とすれば、予約のハードルが下がる。
- 夕方ハーフラウンドの低価格プラン・・フルで18ホール回る人は少なくても、夕方に軽く回りたい層は一定数いる。
こうして空席を埋めることで、総売上は底上げされるのです。
他業種に応用できるか?
さて、ここからが本題です。レベニューマネジメントは、ゴルフ場やホテル、航空業界だけの専売特許ではありません。
需要に応じて価格やサービスを調整するという考え方は、もっと幅広く応用できるのではないでしょうか。
・飲食業・・・ランチタイムは満席、でもアイドルタイムはガラガラ。→ この時間にコーヒー付きお得プランを出せば、新しい客層を呼び込める。
・美容院・サロン・・・土日は予約がいっぱい、平日はスカスカ。→ 平日限定割引や「時間指定割」を導入できる。
・教育・習い事・・・夕方は子どもたちでいっぱい、午前中は空き教室。→ 主婦や高齢者向けのプログラムを組み込める。
・製造業・BtoBサービス・・・繁忙期はフル稼働、閑散期は稼働率が落ちる。→ 閑散期には価格を下げて小口案件を取り込み、固定費を吸収する。
考えてみれば、どんな業種でも、需要の波は必ずあります。その波を「どう埋めるか」がレベニューマネジメントの核心です。
値引きではなく最適化
強く言いたいのは、レベニューマネジメントは「ただの値下げ」ではないということ。
むやみに価格を下げると、ブランド価値を損なうだけで終わってしまいます。
重要なのは、
- 誰に
- いつ
- どのように売るか
をデザインすることだと考えています。
たとえば飲食店で「平日夜8時以降限定割引」をすれば、通常のディナー客には影響を与えず、空いている時間だけ埋めることができます。値下げではなく価格の最適化であり、在庫の有効活用という考え方なんです。
データの力を借りる
レベニューマネジメントを成功させる鍵はデータです。
ゴルフ場でいえば、来場者数、天候、曜日、イベントシーズン…。これを分析すれば、需要のパターンが見えてきます。
同じことを他業種でもできます。
POSデータ、来店時間、顧客属性、リピート率…。
データを集めて傾向を見れば、「どの時間が空いているのか」「どの層が来やすいのか」が分かり、施策が打ちやすくなります。
〇レベニューマネジメントは経営の武器
難しい理論を振りかざすよりも、ゴルフ場のような現場での知恵のほうが実用的ですね。
「売上をどう最大化するか?」
これはすべての経営者が抱える永遠のテーマ。
レベニューマネジメントは、その答えのひとつではないでしょうか?
「お客さんが少ないときにどう埋めるか」「需要の波にどう対応するか」
これを考える習慣を持つだけで、どんな業種でも利益構造を改善できるはずです。
ゴルフ場で得た知見を、他の業種でも実験的に取り入れてみる価値ありそうです。
とくに、レベニューマネジメントを取り入れてない業種は、面白いかもですね。
レベニューマネジメントは、どんな業種にも応用できる普遍の経営技術になりそうです。