上手くいかない経営者は、難しいと同調してほしい件
こんにちは。今回は経営の難しさについて。なぜ?これを取り上げたかというと、いろんな経営者の方とお会いあすると、「経営は難しい」と言う人は多いです。そして、その言葉にうなずく人も多い。
でも、正直に言います。経営は意外とむずかしくない。上手くいっている経営者は難しくない方にうなずきます。
そう言うと、ほぼ間違いなく、「そんなこと言えるのはあなたが成功したからだ」とか「現場を知らないからだ」といった反論が返ってきます。でも、私は30年間、物流という泥臭い現場のど真ん中からスタートし、経営の最前線を経験させてもらい、最終的には会社の成長を牽引しました。(と思ってますwww)つまり、机上の空論ではなく、手を動かしてきた立場からです。
■外から見ると難しそうだが、実際に手を動かしてみると
外から経営を見ていると、いかにも複雑そうに見えるものです。「資金繰り」「労務管理」「戦略立案」「法務対応」「税務申告」…並べるだけで、肩が凝ってくるような言葉がズラリと並びます。ですが、いざ経営者になって実務を回してみると、「あれ? 意外とやることはシンプルじゃないか」と感じる瞬間が多いんです。
なぜか?
それは、ほとんどのことがプロセス化できるからです。
資金繰りも、売上と支出を把握して計画を立てるだけ。労務管理も、基本ルールを押さえておけば日常業務で回せます。戦略も、極端に言えば「お客様を増やすために何をするか」の繰り返しです。
ね、簡単で単純でしょ(^_-)-☆
■99%の事業は特殊なノウハウなんていらない
世の中のほとんどの事業は、突き詰めれば「売って・届けて・代金をもらう」の繰り返しです。特別な魔法や、選ばれた人だけが知っている「禁断のノウハウ」なんて、99%のケースでは存在しません。
それでも「これはうちだけの特殊なやり方だ!」と強調する経営者は多い。たいていの場合、それは同じものを他人が作れない理由付けだったりします。でも実際には、真似されても市場が広ければ勝負はできますし、サービス業ならむしろ真似された方が市場全体の認知が広がって得することもあります。
■特殊なノウハウと言っているのは、同じものを作れないから
私も昔は「このやり方はうちの会社しかできない!」と胸を張っていました。でも、時間が経つと分かります。
特殊なやり方というのは、たいていが「自社がそう思い込んでいるだけ」だと。
むしろ、同じことをできる会社が現れても平気なように、お客様との関係性や信頼の蓄積で勝負した方が強いんです。モノやサービスは模倣できても、信頼関係はコピーできませんから。
■経営で一番大切なのは、目の前にお客様を連れてくること
正直なところ、経営者の仕事の半分以上は「お客様を連れてくること」に集約されます。いくら立派なビジネスモデルを描いても、売上がなければ机上の空論です。資金繰りも、人材育成も、すべては売上がある前提で成り立ちます。
逆に、売上が安定して確保できれば、経営は一気にシンプルになります。あとは、その売上を支える仕組みを整えるだけです。
■売上確保できたら、マネジメントは単なるプロセス管理
売上が軌道に乗ったあとは、マネジメントの仕事は「人・物・金」の流れを整えていくことです。言い換えれば、プロセスを管理すること。
現場が何をやっているのか見える化し、数字で把握し、改善のサイクルを回す。これは、現場リーダーがやっていることと本質的には変わりません。もちろん規模が大きくなれば複雑にはなりますが、基本は変わらないと考えてます。
■上手くいかない経営者が「難しい」と言いたがる理由
ここで少し意地悪なことを言いますね。経営がうまくいっていない人ほど、「経営は難しい」と同意してほしがる傾向があります。
なぜか?
それは、失敗の理由を「自分の能力不足」ではなく、「経営が 本質的に難しいから」という外部要因に置き換えられるからです。もちろん、経営にはリスクがありますし、予測不能な出来事もあります。
でも、それは難しいというより、ただ「やることが多いだけ」です。やることが多いからといって、それが複雑で理解不能という意味にはなりませんよね。
■シンプルに考える経営の3ステップ
私が思う、ほとんどの事業に共通する経営の基本ステップは次の3つです。
- お客様を見つける(マーケティング・営業)
- 期待以上の価値を提供する(商品・サービス提供)
- 継続して買ってもらえる関係をつくる(リピート戦略)
これを回し続けるだけ。途中で必要なのは、数字の管理やチームづくりですが、それはあくまで「回すための道具」です。
■経営はむずかしくないが、簡単にもならない
ここまで「経営は意外とむずかしくない」と書きましたが、「だから簡単だ」とは言いません。なぜなら、経営はやることが多く、手を止めた瞬間に傾くからです。でも、その多さに圧倒されず、優先順位をつけて一つずつ片づけていけば、確実に回せます。
そして回していく中で、自分なりのやり方や得意分野が見えてきます。
経営をむやみに神格化せず、「お客様を増やすこと」と「仕組みを回すこと」に集中すれば、難しさの霧は晴れていきます。
もしあなたが「経営は難しい」と感じているなら、一度その感覚を疑ってみてください。
案外、その壁は自分が心の中で高く積み上げたレンガかもしれませんよね。参考にしてみてくださいね(^^♪