情報化社会における「お金の使い方」とは?
なぜ今「モノより体験」なのか?
かつて私たちの消費の中心は「モノ」でした。
車や家、ブランド品など、所有すること=豊かさの証という時代が長く続いていました。
しかし今、多くの人が体験や経験にお金を使うようになっています。本日は、世の中の企業の約4割ほどが、ゴールデンウイーク中。ニュースなどをみて、思うことを書いてみます。

旅行、セミナー、イベント、オンラインライブ、自己投資…。
なぜこのような変化が起きているのでしょうか?
情報の過剰供給と人々の価値観の変化があります。
■ 情報化社会がモノの価値を相対化した
今や、スマホひとつで世界中の「モノ」や「サービス」を見られる時代。
SNSでは誰かの最新アイテム、豪華な旅行、美味しそうな料理が次々と流れてきます。
つまり、「持つことの希少性」や「優越感」がなくなったのです。
誰かが持っているモノを見るだけで、「自分も知っている気になれる」情報環境では、所有そのものの価値が薄れていきます。
■ 今、価値があるのは「再現できない体験」
逆に、人々が価値を感じるのは「一度きりの経験」や「自分だけの感動」です。
- 海外で出会った文化や人々
- 心を動かされたセミナーや講演
- 家族と過ごした何気ない旅行
- 自分だけの“推し活”体験
こうした一人ひとりの「心の記憶」になる体験は、いくら情報が溢れても簡単に再現できるものではありません。
■ SNSと「共感経済」が体験消費を加速させた
情報化社会は、「体験を共有する時代」でもあります。
今は何かを“やったこと”より、“やったことを誰かに伝えること”に価値がある時代。
- 「あのフェスに行ってきた!」
- 「この講演会で気づきがあった」
- 「今までにない料理を食べた」
こうした投稿が、共感を生み、他者とのつながりを強化します。
だからこそ、「SNSで語れる体験」にお金を使う人が増えているのです。
■ Z世代・ミレニアル世代は特に「体験重視」
特に若い世代は「モノを持つこと」にあまりこだわりません。
所有よりも、必要なときに使うこと(シェア)や、その場での経験を大事にする傾向があります。
- 車はカーシェア
- ブランドよりフェスやライブ
- 貯金より自己成長への投資(セミナー、習い事、読書)
こうした行動パターンは、お金の使い方そのものが「自己表現」になっていることを示しています。
■ ビジネスも「モノ売り」から「体験売り」へシフト
この変化は、個人だけでなくビジネスにも大きな影響を与えています。
これからの時代は、商品そのものよりも、
「それを使うことで、どんな経験が得られるか?」が重要です。
✔ 体験型価値提供の例:
- スタバのような「空間・会話・時間」を売るカフェ
- 作り手の想いを伝えるクラフト系ブランド
- オンライン講座やコーチングなどの“気づき体験”
- 音楽・スポーツ・イベントを軸にしたライブビジネス
消費者は、「商品+物語(ストーリー)」を求めています。
モノではなく、意味を売る時代なのです。
■ 消費=投資という新しいお金の使い方
現代では、「お金を使うこと=浪費」ではありません。
むしろ、「未来の自分のための投資」として使う意識が広がっています。
- 学びに使う → スキルアップ → 収入増
- 旅行に使う → 視野が広がる → ビジネスのヒントに
- 趣味に使う → 人間関係が豊かになる
こうした体験は形には残らないけれど、人生の“厚み”を増すものです。
■ これからのお金の使い方は「心が動くかどうか」
情報が溢れ、モノが溢れている今、
本当に価値があるのは「自分の心が動いた経験」です。
- 誰かの投稿ではなく、自分の体験
- 所有ではなく、感動
- 一時の満足より、一生の記憶
これからのお金の使い道は、まさに「何を所有するか」より「どう生きるか」を選ぶ行為そのもの。
あなたは、今日、何にお金を使いますか?
■ この記事を書き終えて
「モノより体験にお金を使う」
このシンプルな価値観の変化が、私たちのビジネス、生活、人生を大きく変えようとしています。
個人としては「心が豊かになる体験」に。
ビジネスとしては「体験価値を届ける商品設計」に。
今こそ、お金の使い方そのものを見直すタイミングではないでしょうか。
参考になれば幸いです(^_-)-☆