お客様の見てないときのスタッフの素振りの大切さ
「お客様は見ていないようで、すべてを見ている」
この言葉は、店舗運営型ビジネスの方に先日無料相談を受けた時の回答です。売上やリピーターの数を左右する要因の多くは、商品そのものよりも「接客や雰囲気」にあります。今回は、無料相談の回答を書いてみますね。
特に大切なのが、「お客様が見ていないときのスタッフの素振り」です。
「え?見てないなら関係ないでしょ?」と思う方もいるかもしれません。
しかし実際は逆。
お客様は見ていないときの姿をふとした瞬間に目にして、そこからそのお店の印象を決めてしまうものなんです。
「お客様と接していないときも接しているように」という観点から、リピーターを減らさないための運営のコツになります。
〇お客様と接していないときも、接しているように
店舗スタッフの多くは、お客様と直接話しているときには最高の笑顔と丁寧な言葉づかいをします。これは当然のことです。
問題は、その合間なんです。
- レジが一段落したときに、疲れ切った顔で大きなため息をつく。
- 厨房で腕組みをしながらスマホを見ている。
- フロアを歩きながら無表情で商品を直している。
これらの姿は、お客様に直接声をかけているわけではありません。しかし、その場に居合わせたお客様は必ず視界に入れています。そして心の中でこうつぶやきます。
「このお店、裏ではこんな感じなのか」
接客は「話しているとき」だけではなく、「見られているとき」のすべて。つまり「お客様と接していないときも接しているように」振る舞うことが、リピーターづくりの大前提だと考えてます。
〇見られてないときの行動とは
「見られてないとき」とは、具体的にどんな場面でしょうか。
- お客様が商品を選んでいる最中・・・店員は手持ち無沙汰に見えますが、実はお客様は横目で店員の雰囲気を見ています。
- お客様が会話に集中しているとき・・・飲食店では、お客様同士の会話の合間にスタッフの立ち居振る舞いが目に入ります。
- 店舗の奥にいるとき・・・「見られてない」と思う倉庫や厨房。実は通りすがりにお客様がのぞき込むこともあります。
- 同僚と会話しているとき・・・お客様には聞かれていないと思っていても、意外と耳に届いています。
これらは「接客をしていないつもり」でも、実際にはお客様に強烈な印象を与える瞬間です。たとえば、スタッフが笑顔で声をかけなくても、丁寧に棚を整えているだけで「この店は清潔で気持ちがいい」と感じてもらえます。逆に、背中を丸めてスマホをいじっているだけで「もう来ない」と判断されてしまうこともあるのです。
〇姿勢と笑顔でお客様は判断する
店舗運営において、もっともシンプルかつ効果的なリピーター維持の方法は、「姿勢」と「笑顔」です。
- 背筋を伸ばしているか?
- 歩くときにキビキビしているか?
- 無表情ではなく、ほんのり笑顔があるか?
お客様は、接客の言葉づかいよりも、これらの非言語的な要素を敏感に感じ取ります。同じ飲食チェーンでも「笑顔と姿勢が徹底されている店舗」と「そうでない店舗」では、リピーター率が明らかに違うんです。
「料理の味や値段は同じなのに、なんであの店だけお客様が戻ってくるんだろう?」
その答えは「スタッフの雰囲気」なのです。あっ!と冷や汗出てる方いますよね(笑)
〇具体的な運営とは
どうすればスタッフ全員が「お客様が見ていないときでも接客しているように」動けるようになるのでしょうか。
1. 意識づけを徹底する・・・「お客様は常に見ている」という前提を共有します。朝礼で「今日は背筋と笑顔を意識しよう」と毎日伝えるだけでも違います。
2. 背中で語る教育・・・新しく入ったスタッフは、先輩の立ち居振る舞いを真似します。だからこそ、リーダー格が「常に姿勢と笑顔」を実践して見せることが重要です。
3. 行動ルールを明文化する・・・「接客中だけでなく、待機中も笑顔で立つ」「棚を整えるときも背筋を伸ばす」など、具体的な行動をルール化します。
4. 定期的なフィードバック・・・気づいたことをその場で声かけします。「いまの姿勢いいね」「ちょっと疲れた顔してたよ」など、日常的にフィードバックする習慣をつくります。
〇お客様は“無意識に”判断している
面白いのは、お客様自身は「なぜあの店にまた行きたいのか」を言葉にできないことが多いという点です。「なんとなく雰囲気がいいから」「落ち着くから」と言いますが、その“なんとなく”の正体がまさに スタッフの素振り なのです。
リピーターをつくるかどうかは「意識して見せる接客」ではなく「無意識ににじみ出る素振り」で決まる。これは一朝一夕では身につきませんよね。だからこそ、店舗運営者として“素振りを習慣化する環境づくり”を徹底する必要があります。
〇リピーターを減らさない秘訣は「裏の顔」にある
リピーターが減らない店舗には共通点があります。それは、お客様が見ていないときの素振りが美しいことです。
- 接客していないときも、接客しているように。
- 見られてないときこそ、本当の評価ポイント。
- 姿勢と笑顔で、お客様は「また来たい」と感じる。
商品やサービスの質はもちろん大切ですが、それだけではリピーターは維持できません。お客様は「スタッフの人柄」や「店舗の空気感」に惹かれて戻ってきます。
「リピーターづくりは、接客していないときの素振りで決まる!」
今日からぜひ、スタッフ全員で見られていない瞬間にこそ光る店舗を目指していきましょう。
以上が、無料相談の回答でした。
参考にしてみてくださいね(^_-)-☆