とある経営者の方との会話
先日、たまたま数人の経営者の方と集まる機会があり、”黒字倒産と赤字倒産~”のお話しをすることになりました。その時の話した内容などブログにUPしてみようと思います。

セミナー内容:「黒字倒産と赤字倒産の関係性とは」
「黒字倒産と赤字倒産の関係性」というテーマでお話しさせていただきます。黒字倒産や赤字倒産は、経営者にとって他人事ではなく、自社にも起こり得る課題です。このテーマを通じて、財務の基礎から倒産を防ぐための具体策まで、現場で得た知識と経験を共有させていただきます。
1. 自分で帳簿をつけていない社長
経営者にとって、帳簿の数字は会社の「健康診断書」と言えます。しかし、多くの社長が帳簿を税理士任せにしており、月次の財務状況を把握できていないケースがあります。数字を把握しないまま経営判断を下すのは、地図を持たずに目的地を目指すようなものです。特にキャッシュフローの把握は最優先事項であり、現金の動きと損益計算書が一致しない理由を理解することが重要です。
2. 黒字なのに納税資金がない
多くの経営者が直面する問題として、「黒字決算なのに納税資金がない」という事例があります。これは、利益が出ている一方で、運転資金や投資、借入金返済にキャッシュを使いすぎてしまった場合に起こります。特に「損益計算書上の利益」と「キャッシュフローの現実」の違いを理解し、納税資金を計画的に確保しておく必要があります。
3. 納税資金を金融機関から借り入れるのは?
納税資金を借り入れること自体は悪いことではありませんが、それが慢性化している場合は経営の問題です。金融機関に「納税資金を融資してほしい」と依頼する際、銀行側から「経営に余裕がない」と判断されるリスクがあります。適切な資金繰り計画を立て、納税用の内部留保を確保する習慣を持つことが重要です。
4. 赤字でも会社はつぶれない
赤字でも会社が存続する場合は珍しくありません。それはキャッシュフローが回っている場合です。反対に、黒字倒産はキャッシュフローの管理が不足しているために発生します。赤字が出ていても資金調達力があり、支払いが滞らなければ会社は存続可能です。ここでの重要なポイントは、「利益よりも現金の流れが命」ということです。
5. 支払いができていることが大切
「支払い」は会社の信頼の根幹を支えます。取引先への支払いが遅延すると、取引停止や信用不安を引き起こし、経営に致命的な影響を与えます。特に、税金や社会保険料の支払いは最優先で確保する必要があります。これらの遅延は、税務署や年金機構からの厳しい措置につながりかねません。
6. 損益計算書の利益の中の税金とは
損益計算書に記載されている税金は、いわば「目安」であり、実際に支払う金額とは異なる場合があります。特に、納税額は経費として認識されないため、事前に資金を分離しておくのがポイントです。納税資金用の別口座を設けることで、支払い漏れを防ぐ方法がおすすめです。
7. 経費じゃないものを把握するには
損益計算書上の経費の中には、「現金を伴わない費用」(減価償却費)や「非経費の支出」(役員借入の返済など)が含まれる場合があります。これらを正確に把握するためには、貸借対照表(BS)とキャッシュフロー計算書を併せて確認する習慣をつけることが重要です。
まとめ
黒字倒産と赤字倒産の違いを正しく理解し、適切な経営判断を行うためには、「数字に強い社長」になる必要があります。財務は経営者にとって避けて通れない責務です。日々の経営に活かしていただき、黒字でも赤字でも倒産しない強い会社を作り上げていきましょう。
以上です。参考にしてみてくださいね(^_-)-☆